大地震想定 佐世保市で「防災訓練」 被災者救出、連携を確認

倒壊家屋から被災者を救出する自衛隊員ら=佐世保市、陸上自衛隊相浦駐屯地

 大地震などを想定した「佐世保市総合防災訓練」が1日、同市大潟町の陸上自衛隊相浦駐屯地であった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催は3年ぶり。自衛隊や米海軍佐世保基地など43団体が参加した。各機関の連携強化により、迅速な災害対応につなげる狙い。

有毒なシアン化水素が漏れ出た工場から救出し、除染する隊員ら=佐世保市、陸上自衛隊相浦駐屯地

 市主催。例年は約1300人が参加しているが、コロナ感染防止のため約800人に縮小した。訓練では県北部を震源とする震度6強の地震が発生したと想定。1時間に70ミリを超える大雨も重なり、市内では道路の損壊や多数の負傷者などが出たとして訓練を行った。

 市消防局はドローンを飛ばして上空から被災状況や負傷者を確認。がれきなどを乗り越えられる水陸両用バギーの走行訓練も実施した。米海軍佐世保基地と連携した訓練では、同基地近くの化学工場から有毒な「シアン化水素」が漏れ出たとして、工場に残された人を救出し、水をかけて除染した。海上自衛隊などは倒壊家屋を警備犬と共に捜索。電動のこぎりで壁に穴を開けて住民を救出した。
 市防災危機監理局の山元義崇局長は「災害は激甚化している。(市民には)災害に関心を持ち、早めの避難など防災意識を持ってほしい」と話した。


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