棚田米をブランド化 高付加価値化へ会社 大島区の若手米農家

 大島区の山間部、旭地区に住む若手水稲農家3人がこのほど、同地区で栽培する棚田米のブランド化と販路開拓を目指して販売会社を設立した。3人が育てた米を販売会社で買い取り、独自に築く販路やふるさと納税の返礼品として商品化する考え。
 販売会社「旭商店」を立ち上げたのは、代表の田邊和夫さん(41)、布施孝司さん(同)、牛田光則さん(38)の3人。田邊さんと布施さんは家族が続けてきた水稲栽培を引き継いだ。牛田さんは県外から移住し、同地区で農家民宿を経営しながら農業をしている。3人は今後も中山間地で農業を続けていくには、所得の向上が不可欠だという結論に至り、会社設立を決意。8月下旬、田邊さんを代表に旭商店を設立した。

ブランド名「あさひかがやく」を手にする(左から)牛田さん、田邊さん、布施さん

 3人が経営する水田の面積は計14ヘクタール。そこから800キロのコメを旭商店に納入し、旭商店が「あさひかがやく」のブランド名で販売する。価格は2キロ1800円、5キロ4000円(いずれも税込み)と高価格での流通を目指す。11月には上越市が始めたふるさと納税の返礼品にも登録し、浸透を図る。田邊さんは「毎年出荷量を増やしていきたい」と意気込む。
 棚田米のブランド化は全国各地の中山間地が補助金などを活用して行っており、競合は乱立している。牛田さんは「コメのブランド化は限界に近づいているといわれるが、もっと細かい視点で見ればできることはたくさんある。(消費者と)直接顔の見える関係作りを目指していく」と話した。

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