長崎県内で最大3万3430戸停電 台風11号 離島で建物損壊相次ぐ

強風で破損したシャッター=五島市三尾野2丁目

 大型で強い台風11号は6日未明から明け方にかけて長崎県に最接近した。県内の多くが風速25メートル以上の暴風域に入り、対馬市厳原では最大瞬間風速44.7メートルを観測。離島を中心に建物の損壊や倒木などの被害が出た。
 九州電力によると、強風による断線などで最大約3万3430戸が停電(同日午前5時時点)。平戸市では最大1万3550戸で停電率は69.7%に達した(午前6時時点)。同日夜までにほぼ復旧した。
 長崎地方気象台によると最大瞬間風速は対馬市美津島39.6メートル、鰐浦39.1メートル、大村36.5メートルなど。県によると、県内で計432カ所の避難所が開設され、最大3661世帯、計5199人が避難した。

道路を覆うように倒れ、電線も巻き込んだ約10メートルの木=6日午後4時55分、対馬市厳原町

 五島市によると、5日午後4時20分ごろ、福江町の港大橋を渡っていた女性(89)が風にあおられ転倒し、額や腕をけがした。
 強風の影響で同市三尾野2丁目のアパート1階のシャッターがめくれ上がり、住人の男性は「(6日)午前1時ごろ大きな音がして外れた。強い風が吹いていたがここまでとは驚いた」と話した。錦町の民宿の外壁2カ所がはがれ落ち、野々切町の住宅敷地内の小屋の屋根が破損するなどの被害も出た。
 対馬市厳原町椎根と上槻の両地区を結ぶ道路では約10メートルの倒木が道をふさぎ、電線も巻き込んだ。大量のごみや流木、がれきが海岸沿いに打ち上げられ、作業員が撤去作業に追われた。
 交通各社は6日の始発から運転を見合わせたが、順次再開した。
 台風11号は6日午後3時現在、日本海を時速約80キロで北北東へ進んだ。中心気圧は970ヘクトパスカル。


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