栃木県内3市4会場で10日、新型コロナウイルス下で初となる国民体育大会の会期前競技が開幕した。感染対策で応援方法や入場に制約がある中、観客は拍手や都道府県名をあしらったうちわなど、思い思いの方法で応援し、42年ぶりの本県での国体を楽しんだ。また多くのボランティアが大会運営を下支えし、県内外から訪れた人々をもてなした。
◆コロナ対策◆
今大会では原則、観客に健康観察アプリなどで2週間の検温や健康状態の確認が義務付けられた。各会場では係員にスマートフォンの画面や体調管理チェックシートを示す姿があった。
「声を出しての応援は控えてください」。小山市の県温水プール館で行われた水球では、試合の合間に注意喚起する放送が流れた。
宇都宮市のユウケイ武道館での弓道は、主に試合ごとに一般観客を入れ替えた。収容人数を制限しながらも多くの人が観覧できるよう工夫し、637人が観戦した。
◆応援◆
色とりどりのうちわや小太鼓、さくらんぼを模したかぶり物-。水球の会場では、各地の応援団が思い思いの方法で競技を盛り上げた。得点が入ると、観客席からは拍手とともに歓声が上がった。
体操では観客が選手名を書いたタオルや画用紙を手に、エールを送った。高難度の演技に会場内では拍手が起きたが、歓声が上がる場面はほぼなかった。
少年女子に出場した娘の応援に兵庫県から駆けつけた南祐見子(みなみゆみこ)さんは「GOGO HYOGO(ゴーゴー兵庫)」と書いたピンク色の画用紙を掲げた。「有観客開催はありがたい。笑顔でアップする姿、演技後にメンバー同士でハイタッチする姿など、いろんな表情を見られた」と喜んだ。
◆ボランティア◆
足利市の特設会場で行われたビーチバレーボールでは、高校生が競技補助員として大会をサポートした。初日は計約130人が得点をカウントしたり、試合後のコートを整備したりした。
足利短大付高2年の大宮愛里(おおみやあいり)さんはスコアシートの記入作業に従事。「この日のためにルールを一から覚えた。最終日までがんばりたい」と話した。
水球でボランティアを務めた大島治夫(おおしまはるお)さん(71)は「42年ぶりの栃木国体と聞き、二度と体験できないことだと思い応募した」。他の競技にもボランティアとして参加予定で「自分の働きが、少しでも大会や選手たちのためになればうれしい」と力を込めた。