メクル第660号 本の海へ 「しまずかん」“個性”知り『推し』見つけて

しまずかん(こにしけい たきざわしょうたろう しまもりなつこ作、講談社)

 日本には約7千もの島があるんだそう。この本では特徴(とくちょう)ある50の島をピックアップして紹介(しょうかい)しているが、ただの図鑑(ずかん)じゃない。島がキャラクター化していて、みんな何やらしゃべっているんだ。
 例えば、佐世保(させぼ)市と平戸(ひらど)市の群(ぐん)島「九十九島(くじゅうくしま)」。頭にたくさんの島をのせた、でこぼこ顔が「ここだけの話、わたしホントは208島なの。別にいいじゃない。誰(だれ)かを傷(きず)つけてるわけでもないし」とつぶやく。島の面積や人口などのデータ、島の特徴なども分かりやすく説明されていて、九十九島が「九十九島」と名付けられた理由も分かる。
 「しま姉妹」「しまりんぴっく」などのテーマごとに国内外の島を紹介するコーナーや、島が主役の4こま漫画(まんが)もある。県内からは他に軍艦島(ぐんかんじま)(端島(はしま))、池島、五島列島も登場するよ。どんなキャラクターなのかは読んでみてのお楽しみ。
 島々の“個性(こせい)”を知り、自分だけの「推(お)し島」を見つけてみてはいかが。

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