連合軍捕虜73人を追悼「平和への誓いを新たに」 長崎・福岡俘虜収容所第2分所跡地

献花するフリート駐日オランダ大使=長崎市香焼町

 戦時中、福岡俘虜(ふりょ)収容所第2分所で亡くなった連合軍捕虜を慰霊する追悼・平和祈念式が10日、長崎市香焼町の同分所跡であり、蘭豪米の大使館、領事館関係者や市民ら約60人が平和への誓いを新たにした。
 同分所では日本の占領地域で捕虜になったオランダ兵らが働かされ、73人が劣悪な環境の中で命を落とした。その歴史を忘れまいと、市民有志が2015年9月、現地に追悼碑を建立。毎年式典を開催してきた。
 碑の維持管理委員会代表の朝長万左男さんが「ロシアのウクライナ侵攻で東アジアの平和も危うくなっている。いま一度世界平和を祈る機会にしたい」とあいさつ、参加者一人一人が献花した。ペーター・ファン・デル・フリート駐日オランダ大使は「過去の出来事を追悼することは、平和な未来をつくることでもある」と参加者に語りかけた。


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