新しい旅スタイル「リトリート」人気 相模原・藤野の自然や温泉でリフレッシュ NPO法人が企画

「リトリート旅」で滝に打たれてリフレッシュする大人たち=相模原市緑区の藤野地区

 新型コロナウイルス禍が長期化し、心身の疲れやストレスがたまりがちになる中、日常生活から離れ、ゆったりと静養する新しいスタイルの旅「リトリート」が相模原市緑区の藤野地域で広がっている。自然や温泉など地域資源を生かした今夏のリトリートツアーには、都心や県外から多くの観光客が参加した。企画するNPO法人は「藤野は多くの可能性を秘めている。長期滞在型のプランも考えていきたい」と語る。

 セミの鳴き声が響く夏の里山に、子どもたちの笑い声がこだましていた。山道の脇に流れる小川では、大人たちが会話を楽しんでいる。「こんなに穏やかで、ほっとできる時間は久しぶり」。都心から訪れた女性は人のいない場所でマスクを外し、空気を思い切り吸い込んだ。

 この日、NPO法人「自然体験学校みどり校」が開催したのは日帰り旅「秘境の滝 リトリート体験」。8月末の平日にもかかわらず東京や千葉、静岡などから親子連れ約20人が参加。

 川でマスをつかみ取りしたり、滝に打たれたりと自然を満喫した後、川沿いで地元野菜を使ったバーベキューを楽しみ、最後は近くの温泉宿「陣渓園」でゆったりと温泉に漬かった。

 4歳の息子と参加した女性(40)=藤沢市=は「藤野の自然や風土にすっかり癒やされました。自分の心と体をケアする時間を持つことって大切ですね。ぜひまた、参加したいです」とうれしそうに語った。

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