玉野市八浜地区特産の「マルハチナシ」の収穫が本格化している。丸々と実った秋の味覚を楽しんでもらおうと、生産者が出荷作業に励んでいる。
大塚智健さん(88)=同市=のナシ園「正梨園」(約40アール)では5日に作業を始め、連日午前5時半から薄緑色の実を収穫。コンテナ約30箱分を選果場に運び、大きさ、色、傷の有無などを確かめて段ボール箱に詰め、発送の準備を整えている。
猛暑やイノシシ、カラスの被害にも負けず丹精された実は、甘さと酸味のバランスが良いという。6日に県内に最接近した台風11号の影響もほとんどなく、長年作業に携わる智健さんの義妹の大塚六通代さん(74)は「毎年楽しみに待ってくれている人がいる。今年も味わってもらえてうれしい」と話した。
マルハチナシは八浜の「八」にちなんで名付けられた独自ブランド。品種は「二十世紀」が中心で、作業は今月中旬ごろまで。その後「新高」「愛宕(あたご)ナシ」の出荷に移る。