MotoGP日本GPを前に、中上貴晶が現役中学生と“夢の実現”をテーマにオンライン交流会を実施

 2022年9月13日、MotoGPライダーの中上貴晶が3年ぶりの開催となるMotoGP日本GPを前に地元中学生に対して、“夢の実現”をテーマにオンラインで交流会を開催した。

 今回のイベントの対象となったのは、栃木県芳賀郡茂木町にある茂木中学校の3年生(88名)。生徒たちとMotoGP世界選手権に参戦中の中上貴晶が“夢の実現”をテーマに交流し、自分の将来や進路についての関心・意欲を高めることを目的に開催された。

 中上はスペイン・バルセロナの自宅より参加。「直接、生徒のみなさんと話をしたかった」としながらもZoomで、現役中学生たちと交流した。

中上貴晶の経歴

 自身の中学生時代に関しては、「バイク中心でしたが、中学生生活は楽しかったです。友達と過ごしたり、サッカー部に所属してチームワークの大切さも学びました」

「14歳でスペインに渡りました。チームのスタッフやメンバーとは英語でコミュニケーションを取らなければならないので、学校の勉強はできる方ではなかったけれど、英語だけはがんばっていました」

 また、10代からの自身の経験を振り返って「12歳の時にロードレースにステップアップして、その時に具体的なロードマップを書き出していました。20歳で世界一になると書いていました」と語った。さらに、自身の挫折についても「16歳で世界選手権にデビューして、2年間戦ったけれど、まったく結果を出すことができずに日本に戻ることになりました。でも、必ずまた世界に戻ると気持ちを固めて、どうしたら世界に戻れるのかを考えて日々生活していました。不安はあったけれど、支えてくれている人との関わり方、バイクを理解することなど、いろいろな情報を取り入れて、ライダーとしても人としても成長できたと思います」と語った。

中上貴晶の経歴

 オンライン交流会では、茂木中学校の生徒からの質問にも回答。「レースでの恐怖心に勝つ方法は?」と問われ、「僕自身はレースやスピードに対する恐怖はありません。28年間、レースを積み重ねているなかで、時間をかけて恐怖心は克服できました」と答えた。

 また、「引退後のGPライダーの生活は?」との質問には、「先輩方は次世代のライダーのためにレース関係の仕事をしている人が多いです。チームの監督やコーチなど、レースに携わる仕事をする人が多いです(笑)」と笑顔を交えながら回答した。

 交流会の最後には、9月23日からモビリティリゾートもてぎで開催されるMotoGP日本GPに関して、「コロナの影響で3年ぶりの開催は、本当に楽しみです。母国GPは日本人としても大きなエネルギーになります。シーズン中の一番大事なレースと捉えているので、そこで日の丸を表彰台に上げるのは、レースを始めた頃からの夢です。3年ぶりに日本のファンのみなさんに走りを見せられる良い緊張感を持っています」と抱負を語った。

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