福井県でコロナ全数把握簡略化スタ―ト 宿泊療養施設や食料の申し込み、療養証明書の発行どうなる?

福井県庁

 福井県は9月14日から、新型コロナウイルス感染者の全数把握を簡略化し、発生届の対象を高齢者などに限定した。感染者の詳細な情報を入力する医療現場の負担を減らし、患者の治療や重症化予防に専念できる態勢づくりを進める。

 軽症者や無症状者には保健所からの連絡がなくなることから、体調悪化時の健康相談体制を整えた。所定の療養期間を経過した後、自ら判断し解除する。

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 これまでは感染者全員の氏名や住所、症状、基礎疾患の有無などを政府の情報共有システム「HER-SYS(ハーシス)」に入力し届け出る仕組みで運用してきた。14日からは発生届の対象を(1)65歳以上(2)入院が必要な人(3)重症化リスクが高い人(4)妊婦(5)1歳未満-に限定。対象外の軽症者らは年代と人数をファクスで各保健所に報告する。ハーシスを使用する場合でも入力項目は必要最低限になる。

 従来の受診・相談センター、陽性者・接触者サポートセンターを統合し、県庁内に「新型コロナ総合相談センター」=電話0570(051)280=を設けた。42回線を確保し、感染に不安のある人や検査の相談は24時間受け付ける。

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 宿泊療養施設や食料支援の申し込み、療養証明書の発行の受け付けは午前8時半から午後5時15分まで。いずれも申し込む前に福井県の電子申請フォームで「陽性登録」が必要で、運転免許証などの本人確認書類と陽性判定の検査キット(あるいは検査結果通知書、診療明細書)の写真を添付する。県対策チームは積極的な登録を呼びかけている。

 全数把握の簡略化は、都道府県の判断で適用できる緊急避難措置。6県が既に運用を始めており、14日から適用する福井、山形両県を含め計8県になる。政府は26日から全国一律で導入する方針を示している。

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