静岡県牧之原市の置き去り事件を受けて、子どもがクラクションを押して助けを求めることが対応の一つとして注目されています。ただ、車のトラブルを扱う専門家は、まずは大人の責任で子どもを守ることが大切だと呼びかけています。
9月5日、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の通園バスに、この園に通う女の子(3)が5時間以上置き去りにされ、重度の熱中症で死亡しました。子どもが車に置き去りにされた場合に、どのように自分の存在を知らせるのか、模索する動きが広がっています。
こちらは埼玉県の幼稚園です。送迎バスに園児が取り残された場合を想定して、バスのクラクションを鳴らして助けを求める訓練が行われました。
<訓練に参加した親子>
Q.クラクション押せる?
「押せる」
「力強く押すんだよね」
「(事故の後)すぐにやっていただいたので、バスで通園しているので安心につながった」
まだ力の弱い園児。お尻を使ってクラクションを鳴らす様子も見られました。ただ、専門家は子どもの力だけに期待しないよう釘を刺します。
<JAF静岡支部 永谷和俊さん>
「自分の存在を外部に知らせるのは無駄ではないが、JAFとしては推奨はしていない。お子さんがクラクションをどういった状態の時に鳴らすべきかの判断ができれば鍵は開けられるだろう」
JAFによりますと、車内温度が上がる中で冷静な判断ができない可能性やクラクションは大人でもある程度の力が必要など懸念が複数あるといいます。まずは子どもを車内に取り残さない心構え、確認作業の徹底が大前提だと指摘します。
<JAF静岡支部 永谷和俊さん>
「短い時間外に出ることがあったとしても車内温度は非常に急激に上がるので必ず置き去りにしない。大人またはドライバーは同乗者の命を守るという意識を高く持っていただきたい」