健康寿命向上に 薬用植物食品化で6次化認定 益子の落合さん

ヒュウガトウキを粉末にした「高舘当帰」(左)と、粉末を練り込んだ「薬膳そば」

 栃木県益子町長堤の兼業農家落合啓人(おちあいひろひと)さん(48)はこのほど、自家生産したセリ科の多年草で薬用植物の「ヒュウガトウキ」を食品化する事業計画で、農林水産省から「六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画」の認定を受けた。葉や茎を乾燥させて粉末化した商品を道の駅ましこ(長堤)で既に販売している。「地元の特産にして、地域の活性化にもつなげたい」と話す。

 末松俊彦(すえまつとしひこ)医学博士が監修したヘルス研究所(大阪市)の刊行物によると、ヒュウガトウキは宮崎県と大分県の山岳地帯に自生する。「日本山人参(にほんやまにんじん)」とも表記され、糖尿病や肝機能障害の予防・改善、高血圧抑制の作用などがあるとされている。

 落合さんは3年前に鉢植えで育て始め、その後、種から発芽させて地植えにした。乾燥させてパウダーにしたものをごはんにかけるなどして1年間食べ続けたところ健康診断の数値が改善したことから、「県内の健康寿命の向上に貢献したい」と事業計画の認定取得を目指したという。

 システムエンジニアとして宇都宮市内で勤務する傍ら農業を営み、町の認定農業者にもなった。現在、自宅近くの畑約1500平方メートルで約1500株のヒュウガトウキを栽培している。

 「ユキヒロファーム」の屋号で活動する落合さんは、乾燥させて小型粉砕機で粉末にしたヒュウガトウキを「高舘当帰(たかだてとうき)」として商標登録した。10グラム入り972円。地元益子産のそば粉に練り込んだ乾麺「薬膳そば」も商品化した。200グラム(2人前)で498円。道の駅ましこなどで取り扱っている。

 (問)ユキヒロファーム0285.81.3639。

ヒュウガトウキ(手前)を栽培する落合さん

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