“双子姉妹”が奏でる 異色のデュオ 蓮田美音さん、美和さん 19日、アルカスでコンサート

「地元で愛されるデュオグループになりたいです」と話す美和さん(左)と美音さん=佐世保市内

 息の合ったハーモニーを奏でる蓮田美和さん(29)と美音さん(29)=長崎県佐世保市在住=の双子姉妹のデュオグループ「Twins Harmony」は、ハープとピアノの異色の組み合わせだ。幼い頃から音楽に親しんできた2人。壁にぶつかり、迷うこともあったが、音楽と離れることはなかった。デュオを結成して3年目。「2人にしか奏でられない音楽」とは何か。姉妹の話に耳を傾けた。
 2人は同市出身。市民管弦楽団員の両親の下、赤ちゃんの頃から練習に連れられ、5歳からはピアノを始めるなど「音楽が身の回りにあることが自然」な環境で育った。美和さんは癒やしの音にひかれて小学6年の時にハープを始め、美音さんは人によって奏でる音が異なるピアノに魅力を感じて「一筋に」取り組んだ。
 中学、高校とそれぞれやりたい音楽を追求する充実した日々を送っていたが、美和さんは東京芸術大を目指した浪人時代に、美音さんは昭和音大(神奈川県)時代にそれぞれ挫折を味わう。好きで飛び込んだ世界だったが実力の差を感じて「何度もやめようかと思った」という。それでも「やっぱりハープが好き」「私にはこれしか無い」と、音楽と向き合う道を選んだ。
 音楽活動がしやすい働き方を選択しようと、美和さんは佐賀大卒業後、佐世保市内の特別支援学級などの補助指導員に。美音さんは短大でのピアノの非常勤講師などを経て市役所職員として勤務。2人は帰宅後2~3時間、週末は一日中練習に励む。「義務で音楽をしたくないから、楽しめる範囲でやりたい」と美和さん。2人は佐世保で活動することにこだわっており、「市民の方に親しんでもらえるようになりたい」と話す。
 ハープもピアノも、1人で演奏が完結する楽器なので、デュオで演奏することは普通ないという。2人も“デュオ結成”は頭に無く、それぞれソロで活動していたが、2020年に知人の勧めでコンサートをすることに。ハープとピアノのデュオのための楽譜は無いため2人で編曲。音量の違いなどを加味しながら何度も話し合って調整を続けた。珍しい取り組みなので「受け入れてもらえるか」と不安だったが、コンサートは好評だった。「私たちだからこそ届けられる音楽があるんだ」-。昨年から本格的に活動を開始した。

昨年のコンサートの様子(蓮田さん提供)=佐世保市、アルカスSASEBO

 美和さんは「1人では半人前だけど、2人だと一人前以上になる」、美音さんは「生まれた時から一緒なので合わせようとしなくても演奏が合う」と双子ならではの利点を語る。珍しい楽器の組み合わせながら調和した音楽を奏でられるのは、そんな姉妹だからかもしれない。2人は「地元で愛される存在になりたい。どんな場所でも呼んでいただければ赴くので、気軽に声をかけてほしい」と笑顔を見せた。
◇    ◇
 2人は19日、同市三浦町のアルカスSASEBO中ホールで「~双子姉妹によるデュオコンサート~Vol.2」を開く。九十九島にまつわる曲や兄の竜太郎さん(歳谷龍)作曲の「愛のワルツ」など8曲を披露する。チケットは一般2千円、大学生以下千円。それぞれ当日は500円増し。蓮田さん(電0956.28.4453)。

© 株式会社長崎新聞社