開会式は10月なのに… 国体で会期前に競技するのはなぜ? 【あなた発 とちぎ特命取材班】

会期前競技で熱戦が繰り広げられている競泳会場=17日午後4時40分、日環アリーナ栃木屋内水泳場

 「国体の会期前に競技を実施するのはどうして?」。下野新聞「あなた発 とちぎ特命取材班」に、「いちご一会とちぎ国体」を巡る“そもそも”の疑問が寄せられた。会期前競技は10日に始まり、栃木県勢の活躍もめざましい。ただ、10月1日の開会式前に、なぜ-。背景を探った。

 県国体・障害者スポーツ大会局に連絡を取り、理由を聞いてみた。

 そもそも国体は、日本スポーツ協会(JSPO)による開催基準要項で、本大会を9月中旬~10月中旬、期間を11日以内で実施するよう定められている。開閉会式も本大会の会期初日と最終日に、総合開・閉会式が行われるのが通例となっている。

 ただ、開催都道府県ごとに競技施設の整備状況が異なることなどから、必要に応じて一部の競技を本大会会期前でも開催可能とする対応が取られてきた。

 例えば、会期前10~13日に行われた弓道。競技会場のユウケイ武道館(宇都宮市)は、柔道と剣道の競技会場でもある。

 栃木県の担当者によると、本大会の会期10月1~11日では、会場準備などを含めて3競技を実施しきる日程の確保が困難だったという。各競技団体との調整の結果、弓道が会期前競技となった。担当者は競技が会期前となるのを「施設の効率的な利用を図ったり、国体以外の大会と日程の重複を防いだりする場合もあります」と説明する。

 一方、水泳競技は9月中旬までに実施するようJSPOが規定しており、適切な水温などを考慮したことが背景にある。「水泳は夏のイメージもありますよね」と担当者。“季節感”も大会が盛り上がる要素の一つと指摘した。

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