大舞台、2度目は監督で 栃の葉国体選手宣誓・飛び込み3位の松本さん

成年女子高飛び込みの演技終了後、榎本(左)の健闘をたたえる松本監督=13日午後、日環アリーナ栃木屋内水泳場

 立場を変えての2度目の「栃木国体」。飛び込みの松本行夫(まつもとゆきお)さん(60)=栃木ダイビングクラブ=は宇都宮南高3年だった42年前の栃の葉国体夏季大会で選手宣誓し、少年男子高飛び込みで3位入賞。今大会は4選手を率いて監督としてプールサイドに立つ。13日から始まった同競技に「会場が盛り上がり、選手も活躍できる思い出深い国体にしたい」との願いを抱く。

 栃の葉国体時は本県選手団結団式の選手宣誓だけを任されたと思っていたが、本番も務めることを後から知ったという。

 「郷土の名誉と競技の栄光のためスポーツ精神を発揮し、正々堂々と競技することを誓います」。そう記されたメモが今も手元に残る。開会式本番は県旗を持つ位置や、間違わずに言うことで頭がいっぱいで、当時の光景は「覚えていない」と苦笑いする。

 印象に残っているのは表彰台。「優勝も狙えた」。1位選手とは5点差。今の計算法でいう15点差ほどで、「最後の1本、後ろ2回転半の失敗がなければ。でも上出来」と笑う。当時コーチだった布村隆(ぬのむらたかし)さんは成年男子で準優勝。今大会は副審判長を務め、師弟で2度目の国体だ。

 日体大卒業後、指導者として本県飛び込み界をけん引し、輩出した選手は数知れず。今大会は東京五輪・世界選手権代表の榎本遼香(えのもとはるか)や、世界選手権代表の須山晴貴(すやまはるき)(ともに県スポーツ協会)らがひのき舞台に上がる。

 今国体は延期になったアジア大会に出場を予定していた選手たちがなだれ込み、例年になくハイレベルな争い。「そこで競り勝つのも楽しみ。ホームですから」と期待した。

 国内屈指の飛び込みプールでの国体は有観客で実施され、多くの県民の目に触れる機会になる。認知度向上や競技普及への思いも大きい。「見てもらって、競技を知ってほしい。それが一番かな」。柔らかな表情で大会の成功を願った。

国体に向け、代表選手を指導する松本監督=日環アリーナ栃木
成年女子高飛び込みの演技を終え、満面の笑みを見せる榎本。右は松本監督=日環アリーナ栃木屋内水泳場
栃の葉国体夏季大会開会式の選手宣誓原稿
地元国体に向け、代表選手を指導する松本監督=日環アリーナ栃木
地元国体に向け、代表選手を指導する松本監督=日環アリーナ栃木

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