【大型で猛烈な台風14号】九州は南部・北部ともに特別警報発表のおそれ 早めの安全確保を

 大型で猛烈な勢力となった台風14号は、きょう17日(土)昼過ぎには沖縄・大東島地方に最も接近したあと、今夜からあさって19日(月)にかけて奄美地方と九州にかなり接近する見通し。また、台風が近づく前から西日本の太平洋側や東海では雨足が強まりそうだ。
 なお、九州では南部・北部ともに記録的な暴風、高波、高潮、大雨になるおそれがあるとして、特別警報が発表される可能性がある。

台風14号は「猛烈な」勢力に発達

 大型の台風14号は、きょう17日(土)午前10時の時点で中心気圧は910hPaとなり、目もはっきりとして、強さの階級で最も上の「猛烈な」勢力となっている。
 大型で猛烈な台風14号は、きょう17日(土)昼過ぎに沖縄・大東島地方に最も近づく見通し。また、夜には奄美地方にかなり接近しそうだ。大東島地方や奄美地方では猛烈な風が吹き、海上では猛烈なしけとなって大荒れの天気になる見通し。暴風やうねりを伴った高波などに厳重な警戒が必要だ。

台風接近前から本州では大雨に

 まだ台風14号からは遠い本州付近でも、台風周辺の湿った空気が流れ込むため、西日本の太平洋側や東海を中心に雨が降ったりやんだりになりそう。日中は晴れ間の出る関東でも、夜以降は雨が降り出しそうだ。雷雨のなる所もある見通し。
 特に九州南部、四国の太平洋側、紀伊半島付近では雷を伴う滝のような非常に激しい雨が降るおそれがある。また、きょう17日(土)夜からあす18日(日)にかけては、九州南部や奄美地方は線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがある。
 台風が近づく前から、大雨による土砂災害、低地の浸水、川の増水や氾濫などに厳重に警戒したい。

台風対策とともに暑さ対策も

 午後も関東、北陸から東北にかけては晴れて、残暑が厳しくなりそうだ。最高気温は30℃以上の所が多く、この時季としてはかなり高い所もある見込み。北海道は前線の影響で雲が広がり、午後も弱い雨が降りやすい見通し。札幌の最高気温は平年より4℃高い26℃と夏日になりそう。
 また、東海から西の地域ではきのうより気温は低い所が多いものの、依然として30℃以上の所が多く、湿度が高いため蒸し暑く感じられそう。
 台風への備えとともに、こまめに水分補給を行うなど暑さ対策も心掛けたい。

台風14号は列島を縦断 九州では特別警報発表か

 台風14号は日本列島を縦断するように進むため、全国的に大きな影響が出そうだ。
 台風はこのあとも猛烈な勢力を維持したまま、あす18日(日)朝には鹿児島県・屋久島付近に進む見通し。その後、夜には鹿児島県に上陸するおそれがある。
 あさって19日(月)になると進路を東寄りに変え、20日(火)にかけて東日本へ進み、21日(水)には北海道の東海上付近で温帯低気圧に変わる見込みだ。

 特に九州では、南部・北部ともに記録的な暴風、高波、高潮、大雨になるおそれがあるとして、気象庁は特別警報を発表する可能性があるとしている。
 まだ雨や風が強まり始める前のうちに、安全な所に身を置き、今後も最新の気象情報や各自治体が発表する情報に最大限に気をつけたい。

(気象予報士・鈴木悠)

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