中須賀克行、開幕10連勝。11回目のチャンピオンが決定/2022全日本ロード第7戦岡山 JSB1000決勝

 9月18日、2022年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第7戦スーパーバイクレース in 岡山のJSB1000クラス決勝が岡山県の岡山国際サーキットで行われ、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が優勝を飾った。2位は作本輝介(Astemo Honda Dream SI Racing)、3位は濱原颯道 (Honda Dream RT SAKURAI HONDA)となっている。

 大型台風接近による影響を避けるため、全クラスの決勝レース周回数が短縮された。JSB1000クラスは24周から20周へと変更された。それでも予報が外れてドライコンディションでのレースとなった。

 スタート直前のウオームアップラップに出ようとしたところで柳川明(KRP SANYOUKOUGYO RSITOH)のエンジンがストップ。柳川はすぐにピットロードにマシンを運ぶ。スタート進行に影響を与えることなく、さらに柳川もピットスタートが可能になる。

 好スタートを切ったのは中須賀。作本輝介(AstemoHondaDreamSIRacing)、濱原颯道(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)、榎戸育寛(SDG Honda Racing)、亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)と続く。

2022全日本ロード第7戦岡山 JSB1000決勝

 4周目。榎戸が濱原を捉えて3番手浮上。濱原を引き離すことには成功するが、前車の作本にも引き離される。一方の中須賀は、じりじりと後続を引き離し、トップ独走状態に移行。作本、榎戸とトップ3台は単独走行で周回を開始する。

 折り返しの10周終了時点で中須賀は、後続に4秒以上のアドバンテージを築いて完全な独走態勢に。作本は榎戸に2秒以上の、榎戸は濱原に3秒以上の差をつけている。

 レース後半も中須賀はただひとり、1分31秒台で周回。3番手走行の榎戸も残り5周でラストスパート。1分31秒台にペースを上げて作本との差を詰め始める。

 中須賀は最後までトップを快走。開幕10連勝を飾ると共に、11回目のチャンピオンが決定した。

 最終ラップまで作本に2位争いを挑んでいた榎戸はダブルヘアピンで転倒。これで作本が単独2位でフィニッシュ。濱原が漁夫の利を得て3位表彰台を獲得した。

中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2022全日本ロード第7戦岡山 JSB1000

■中須賀克行/YAMAHA FACTORY RACING TEAM【決勝:優勝】

中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2022全日本ロード第7戦岡山 JSB1000

「チャンピオンについては考えずに、岡山大会をいかに勝つかという意識でレースウイークを過ごせたことが勝因だと思っています。ミスなくしっかりとマシンを用意してくれたヤマハに感謝でいっぱいです」

「今日は蒸し暑くて厳しいコンディションでした。1分31秒台の前半で走れれば後ろは引き離せるかなと思っていたのですが、作本選手がついてきたので、踏ん張って走りました。その結果、昨年よりもいいアベレージで走ることができ、レベルの高いレースになったと思います」

「今回は、ランキング2位、3位の渡辺一樹選手、岡本裕生選手がいなかったので、少し集中しにくい部分がありました。でもチームスタッフが一生懸命にマシンを整備してくれているのを見たり、ファンに頑張れって声をかけてもらうことで集中を保つことができました。ここでチャンピオンを決められ、最終戦は気持ちよく走ることができると思うのでよかったです」

「最終戦は渡辺選手も戻ってくるだろうし、ほかのみんなも気合を入れてくるだろうと思っています。自分としては、鈴鹿は2分4秒1がベストタイムなので、それを越えられるように予選を戦いたいです。マシンは8年目、今年やってきたことの集大成を見せたいです」

中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2022全日本ロード第7戦岡山 JSB1000

■作本輝介/Astemo Honda Dream SI Racing【決勝:2位】
「スタートはうまくいき、2番手に上がることができました。中須賀選手がペースを上げていくと予想していたので、できるだけ食らいつこうと思っていました。ペースを維持できるよう頑張ったのですが、自分の力不足でした」

「2位という結果はクラス最高位ですが、岡本選手や渡辺選手がいない中での2位ですし、正直、自分としてはそんなに上げられている感じではありません。最終戦は3レース。できるだけ中須賀選手に食らいつきたいです」

■濱原颯道/Honda Dream RT SAKURAI HONDA【決勝:3位】
「このレースで集団から抜けていくとしたら中須賀選手と作本選手だろうなと思っていました。僕は榎戸選手を抜いて、付いていけるだけ行こうと思っていたのですが、そうしたら榎戸選手に抜かれてしまいました。先週のテストで転倒してしまったので、ちょっと怖がっている部分があって、無理しないと追いかけられない状況でした。だから今日は4位でも仕方ないと思っていたのですが、前でアクシデントがあって3位になることができました。もちろん満足できる内容ではありませんが、結果としては取りこぼさなくてよかったです」

「最終戦は(日浦)大治朗も出るので、彼には負けないように頑張りたいです。チームメイトが最大のライバルです」

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