救急医療や非常時の医療体制をテーマにした岡山県医師会主催の講演会が17日、岡山市北区駅元町の三木記念ホールで開かれ、医療や消防の関係者ら約50人が、ドクターヘリの運用方法や国際的なイベントでの医療対応について学んだ。
川崎医科大の椎野泰和教授(救急医学)は、同大付属病院のドクターヘリの役割を「高度な医療機関がない地域での重症者対応や地域医療のサポート、消防の負担軽減」と解説。搬送先の病院で容体が急変した患者をより専門的な治療を受けられる医療機関に運ぶケースもあるとした。
医療機関が孤立し、機能低下に陥るような大規模災害時にはヘリによる被災地外への搬送が想定され、中国5県では県境をまたいで運用する体制を取っていることも説明した。
昨年の東京五輪・パラリンピックの期間中、事故などに対応する専門機関の医療分野を統括した杏林大(東京)の山口芳裕教授も登壇。来年5月開催の先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、倉敷市で労働雇用相会合が開かれることから「テロや感染症の持ち込みなどの発生を想定した対策が必要だ」と指摘した。