魅せた「世界の泳ぎ」 池江、入江に観客熱視線 いちご一会とちぎ国体

観客らが見守る中、成年女子100メートル自由形の表彰式に臨む池江(右から3人目)ら=18日午後、日環アリーナ栃木屋内水泳場

 「いちご一会とちぎ国体」の競泳2日目の18日、池江璃花子(いけえりかこ)選手や入江陵介(いりえりょうすけ)選手(いずれも東京代表)ら国内トップスイマーが出場するとあって、会場となった日環アリーナ栃木屋内水泳場には県内外から延べ1472人の観客が詰めかけた。新型コロナウイルス禍で声出し応援はできなかったが、好記録には拍手やどよめきが起こるなど、「世界の泳ぎ」が観客たちを魅了した。

 午前の予選種目から熱心に観戦していた群馬県太田市、小学4年生久保田(くぼた)こころさん(10)は「池江選手はテレビで見るよりも迫力があった。大きな拍手で応援した。私も国体に出てみたい」と目を輝かせた。若い頃に競泳をしていたという茨城県古河市、会社員男性(52)は「池江選手が2位だったのは残念」としながらも、「きれいなプールで選手たちは泳ぎやすかっただろう」と関東屈指の施設を気に入った様子だった。

 また、秋田代表の兄の応援にきた同県男鹿市の中学1年生斎藤海玖(さいとうかく)さん(13)は入江選手がお目当ての一人。「雰囲気がすごかった。一かきでよく進み、周りと比べてスピードが速かった」とトップ選手の泳ぎに刺激を受けていた。

 注目が集まった池江選手は2種目に出場。成年女子100メートル自由形は2位だったが、女子200メートルリレーでは大会記録を更新しての優勝と会場を沸かせた。「国体に成年の選手として出場することは初めてだったが、少年で出場した時みたいにわくわくしながら泳ぐことができた」と栃木での泳ぎを楽しんだ。

 また成年男子100メートル背泳ぎで圧巻の泳ぎを披露し、唯一の53秒台で頂点に立った入江選手は「10年ぶりに出場して10度目の優勝ができ、思い出に残る大会になった」と満足した様子。「昨年もここで泳いでいるが、本当にいい施設だと改めて思った」とにこやかに話していた。

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