新潟県燕三条地域の「工場の祭典」が3年ぶりにオープンファクトリー形式で開催、計82拠点の工場や農園などが参加

「燕三条 工場の祭典」実行委員会 会見の様子

「燕三条 工場の祭典」実行委員会は20日、2022年の「燕三条 工場の祭典」は3年ぶりに工場を訪問する従来形式で開催することを発表した。開催期間は10月7日から9日の3日間で、会期中はオフィシャルツアーやレセプションなども実施する。また、10年目の節目を経て今後は「通年化」も目指していくという。

「工場の祭典」は、金属加工業の一大集積地である新潟県燕三条地域のものづくりの現場を見学、体験できるイベントで、2013年の開始以来、今年で第10回を数える。感染症禍の影響から2020年以降はオープンファクトリー形式での開催を見送り、オンライン開催や展示会(2021年)という形で実施してきた。

2022年は、「Beyond KOUBA! 祭典から聖地へ脱皮する3日間」をテーマに、3年ぶりに実際の現場へ来場者を迎え入れる。金物製造の株式会社フジノス、包丁鍛治の義平刃物など製造の現場が62拠点名を連ねるほか、農園などの「耕場」が7拠点、道の駅やショップなどの「購場」が13拠点参加。1万人の来場を見込む。

今回は感染症対策として、スマートフォンアプリによる参加者の事前登録を行う。このシステムと同時に、各「KOUBA」に来場することで貯まるポイントで、燕三条製品をプレンゼントする企画も進める。事前登録の詳細については、下記WEBサイトを参照。

各地の見学以外にも、2021年の展示会の一部を燕三条駅に設置。また、参加企業や三条市図書館等複合施設「まちやま」、燕市産業史料館では職人たちと交流できるレセプションを予定している。加えて、JALとの協力で「航空関連」の工場を訪ねるツアーなど、オフィシャルツアーにも力を入れた。

斎藤和也実行委員長

山田立副実行委員長

今回の開催とテーマについて斎藤和也実行委員長は「我々も10年間『工場の祭典』をやってきて、次のステージへ進化し、今までのことを超えていく必要がある。(イベントとして)盛り上がるだけでなく、地域としての盛り上がりを見せていきたい。今年を起点に次へ進みたいという意味を込めテーマを『beyond』とした」、山田立副実行委員長は「3年ぶりとあってどれだけの人に来てもらえるかわからないが、様々な意見や声をいただいて次年度以降に繋いでいきたい」と話して意気込む。

今回は、事前登録者が案内所や各拠点へ入場した際に特別仕様のマスクを配布するが、こうした工場と参加者の「一体感を生む」という例年とは異なる手法も試しつつ次の展開を模索する。

また「11月以降も月1回はツアーをする」など、秋の一時期のイベントではなく、通年で観光客を受け入れることも目指すという。斎藤実行委員長は「(毎年の)『工場の祭典』を経て、オープンファクトリを行うようになった企業も増えている。こうした企業をこれからも増やしていきたい。(テーマにある『聖地へ』は)通年化の第一歩の意味」と語った。

【関連リンク】
燕三条 工場の祭典 2022 公式サイト

【関連記事 前年の「工場の祭典」】
新潟県三条市の廃工場を舞台に「燕三条 工場の祭典」の展覧会が開催(2021年11月5日)

新潟県三条市の廃工場で11月5日から「工場の祭典」の展示会「Tsubame-Sanjo Factory Museum」が開催(2021年10月21日)

工場の祭典 ポスター

© にいがた経済新聞