栃木県内でも台風14号被害 倒木や停電、交通機関には混乱なく

倒れた木が電線に引っかかり通行止めとなった現場=20日午前7時35分、栃木市皆川城内町

 大型の台風14号が栃木県に最接近した20日、県内でも倒木や停電などの被害が出た。強風の影響とみられる。早朝の最接近だったが、交通機関に大きな混乱は見られなかった。

 栃木市皆川城内町では市道脇の高さ約15メートル、直径約30センチの木が倒れた。午前6時5分ごろ、消防に通報があった。電線にもたれかかり、同7時25分から市道が一時通行止めとなった。

 近くに住む無職大橋啓子(おおはしけいこ)さん(72)は「朝起きたら倒れていた。普段は小学生の通学路になっている。今日は休校になっていたのでよかった」と話した。

 日光市大室、明神、大沢町、足利市稲岡町などで倒木があった。

 那須塩原市、那須町では午前3時20分ごろから計約780軒が停電。東京電力パワーグリッドによると、同6時ごろまでに復旧した。倒木が電線に接触したことなどが原因という。

 学校は各市町で対応が分かれた。県教委によると、宇都宮市や栃木市、鹿沼市、小山市、壬生町、那須町など12市町が全小中学校を臨時休校した。

 真岡市、那須烏山市、益子町など10市町は始業時間を繰り下げた。足利市、佐野市は通常授業とした。日光市は中学校区ごとに臨時休校、始業時間の繰り下げ、通常授業のいずれかの対応を判断した。

 通勤・通学時間帯のJR宇都宮駅に大きな混乱はなかった。小山市、私立高2年男子生徒(17)は「学校から無理して登校しなくていいと連絡があったが、大丈夫そうなので来た。県内の被害は少なそうでよかった」とほっとしていた。

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