「妖精」はどうやって生まれたの? タイムカプセルが時を経て

愛くるしい姿の「ミヤリー」像

 栃木県宇都宮市のシンボル宇都宮二荒山神社前、バンバ市民広場に、市のマスコットキャラクター「ミヤリー」像がある。ミヤリーは、2006年に市制110周年を記念し、全国公募と市民投票によって誕生した。その像は、3人制バスケットボール「3x3(スリー・エックス・スリー)」や宮まつりなど、にぎわいを創出する会場の片隅にたたずんでいる。

 市が1986年、国際青年年の記念事業として、市総合コミュニティセンターに「青少年タイムカプセル」を設置したことが始まり。30年間というタイムカプセルの保管期間が過ぎたことから2016年に開封し、「ミヤリー」像として鋳造、再生した。黒御影石の台座を除いた高さは約30センチ、重さは約30キロある。

 カプセルはブロンズ製で、球状をしていた。当時の青少年が30年後の宇都宮や将来の自分自身を思い描いてしたためたメッセージ、街並みの写真、新聞・雑誌など約2200点が格納されていたという。開封後、住所が確認できた人には郵送で返却された。

 市子ども未来課は「像は、当時の青少年が未来への願いを込めたカプセルの化身です。子どもをはじめ多くの市民に親しんでほしい」と話している。

【メモ】

栃木県宇都宮市馬場通り4の1の1。隣接するうつのみや表参道スクウエア内には、ミヤリーのモチーフとなった妖精の美術館「うつのみや妖精ミュージアム」がある

© 株式会社下野新聞社