消防指令センター共同運用が白紙に 栃木市離脱で運営困難

 足利、佐野、鹿沼、日光の4市長は22日、計画していた消防指令センターの共同運用の検討を終了すると発表した。センターの設置は昨年度から、栃木市も含めた5市で検討してきたが、本年度に入って同市が財政上の理由から離脱を表明したことで、地理的に足利と佐野、鹿沼と日光が南北に分断され、計画の白紙化を余儀なくされた。

 5市は昨年度、センターの共同運用に向けた検討委員会を発足。2026年度の開設を目指し、27回に及ぶ会合で検討してきた。センターの設置場所は栃木市が想定されていた。

 足利市は今月7日の市議会一般質問で「4市による共同運用を検討している」と答弁していたが、11日に4市長が会談し白紙の方向性を確認した。

 足利市消防本部総務課の田口勝将(たぐちかつまさ)課長は「5市で検討を繰り返してきた中でこのような結果になり、非常に残念。内部で検討を続けたい」と話した。

 佐野市の飯島美津浩(いいじまみつひろ)消防長は「大変残念ということに尽きる。今後のことは、まず内部で検討していきたい」とした。 

 鹿沼市の星野富夫(ほしのとみお)消防長は「残念ではあるが、5市で積み上げてきた連携は別の部分でも生きてくると思う」と話した。

 日光市の粉川昭一(こなかわしょういち)市長は「白紙に戻り残念。市民の安心安全のためにも、ぜひ一緒にやりたかった。将来的には枠組みをもう一度考えることも検討したい」とした。

© 株式会社下野新聞社