台風15号などの影響で県内は24日、広い範囲で激しい雷雨に見舞われた。宇都宮市と高根沢町の一部に避難指示が発令されたほか、両市町と上三川町に洪水警報が出された。大雨警報の発表は、大田原市や足利市など18市町に及んだ。
県のまとめでは、宇都宮市の住宅1軒で玄関部分の床下浸水があったほか、交通機関の乱れや停電などが相次いだ。
宇都宮地方気象台によると、午後7時までの最大の1時間降水量は那須高原で51.0ミリと9月の観測史上最大を記録。黒磯、足利では42.5ミリを観測した。
宇都宮市は午後1時40分、土砂災害の危険性が高まったとして河内、平石両地区の91世帯225人に対し避難指示を発令。高根沢町も五行川の水位上昇を受け、同3時40分に上高根沢地区の5世帯に発令したが、いずれも同日夕までに解除した。避難者はいなかった。
同市平出町では用水路などが増水し、一部の道路や田畑にあふれ出た。イチゴ農園が浸水した同所、田辺由起夫(たなべゆきお)さん(48)は「4年前にも台風で浸水したが、今回は水がなかなか引かないので影響が気になる」と心配そうに話した。
JR東日本によると、午後0時50分ごろから烏山線の宝積寺-烏山駅間の上下線で運転を見合わせ、バスで代替輸送を行った。東京電力パワーグリッドのまとめでは、午後8時までに宇都宮市や小山市などで延べ約5480軒が停電した。