民間施設で水泳授業 老朽プール改修中の公立小中学校 長崎市教委モデル事業

水に親しむ三原小の児童ら=長崎市、スポーツクラブNAS長崎

 長崎市立小中学校のプール施設の約7割が築30年を超え、老朽化している。このため、市教委は、修繕・改修中の学校を対象に民間の施設などで水泳授業にするモデル事業を実施。「プロ」から教わることで、子どもたちの泳力向上や教職員の負担軽減などの効果も出ているという。
 12日、葉山1丁目のスポーツクラブNAS長崎。市立三原小(宮原友彦校長、168人)の1.2年生計47人が、プールでばた足の練習などに取り組んだ。
 2年生の長橋晴菜さん(7)は「潜る練習が楽しかった」と満足そう。1年生の石本一尊君(7)は「たくさん泳いだ。輪っか拾いの遊びがおもしろかった」と笑顔で話した。
 同校のプールは現在改修中。このため、市教委のモデル事業として9、10月、NAS長崎のプールで水泳授業をしている。宮原校長は「子どもたちにとっても良い環境。水質管理や専門性の面では教職員の負担が減り、学校にとってメリットが大きい」と話す。
 施設側には、市教委から運営費が入る。「コロナ禍のダメージが大きく、収入があるのはありがたい。生徒には水の楽しさも危なさも学んでほしい」とNAS長崎総支配人の塚越茂さん(49)。
 市教委によると老朽化したプールの修繕・改修は多額の費用を要し、工事中は水泳授業ができなくなるため、昨年度から水泳授業を「民間委託」するモデル事業をスタート。初年度4施設、4校で実施したところ、施設維持費の削減や専門の指導者から教わることによる児童生徒の泳力向上、教職員の負担軽減など「良好な結果を得た」という。
 本年度は8施設と15校に対象を広げて実施。市教委施設課は、カリキュラムを終えた学校と事業者にアンケートを実施し、年度内に今後の方針を決める予定。


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