水車交換作業を公開 県内最古、蔵々発電所後世まで 東北電力

 東北電力は27日、県内最古の発電所とされる水力発電所、蔵々発電所(妙高市蔵々)で、5月中旬に開始した2号機の発電設備の分解点検作業を報道陣に公開した。今後部品の取り付けや確認・試験などを経て、11月8日に運転を再開する予定。
 公開されたのは、発電所の心臓部とされる水車ランナー(羽根車)のつり込み作業。天井からワイヤでつるされた直径110センチ、高さ45センチ、重量約1トンのランナーを、4人の作業員が大きなレンチなどを使い、10分ほどで水車に取り付けた。

精緻な作業が要求される水車ランナーのつり込み

 同発電所は1907(明治40)年、上越電気(当時)が関川の水と自然の落差を利用して発電を開始。水車の一部「ケーシング」と呼ばれる部分は当時のまま利用されている。95(平成7)年の「7・11水害」では、関川からあふれた水が発電所建屋内に流れ込み、水深は120センチにも達したという。
 同発電所の出力は、一般家庭約630世帯分の消費電力に相当する約1900キロワット。東北電力上越発電技術センター(上越市北城町3)の佐藤隆行所長は「大切な水力発電所をしっかりメンテナンスして、後世につなげていきたい」と話していた。

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