倉敷藤花戦 西山女流二冠に挑戦権 今期が初参加、香川女流四段下す

香川四段を下し、里見倉敷藤花への挑戦権を得た西山二冠(右)=東京・将棋会館

 第30期の節目となる女性将棋の公式タイトル戦「大山名人杯倉敷藤花戦」(日本将棋連盟、倉敷市、同市文化振興財団、山陽新聞社主催)は28日、東京都渋谷区の将棋会館で挑戦者決定戦が行われ、先手の西山朋佳女流二冠(27)が113手で香川愛生女流四段(29)を下し、初の挑戦権を得た。里見香奈倉敷藤花(30)=清麗、女流王座、女流王位、女流王将と合わせた女流五冠=に挑むタイトル戦3番勝負は11月2日に始まる。

 西山二冠は得意の三間飛車に構え、積極的な攻めを展開。居飛車の対抗形で粘り強くしのぐ香川四段を中盤以降の猛攻で押し切った。西山二冠は「力戦調の出だしで膠着(こうちゃく)状態が続いたが、意欲的に指したことが勝利につながった」と振り返り、里見倉敷藤花との対局に向けて「すごく楽しみ。しっかりと準備して挑みたい」と抱負を語った。

 敗れた香川四段は「力不足を感じたが勉強になることが多い将棋だった。今後に生かしたい」と話した。

 白玲、女王のタイトルを持つ西山二冠は、昨年4月に棋士養成機関の奨励会を退会して女流棋士へ転向し、倉敷藤花戦は今期が初参加。女流棋界を代表する実力者らしい安定した戦いでトーナメントを勝ち上がった。開催中の白玲戦7番勝負、10月に始まる女流王将戦3番勝負に続き、里見倉敷藤花とタイトルを懸けて相まみえる。

 倉敷藤花戦3番勝負は11月2日に大阪市の関西将棋会館で第1局、26日に倉敷市芸文館で公開対局の第2局を行い、1勝1敗となった場合は27日に同館で第3局が指される。

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