【静岡豪雨】「学校のグラウンドにSOSと書こうかと」川の氾濫で道路崩壊…静岡市山間部の地区で“孤立”続く

記録的な大雨は山あいにも大きな爪痕を残しました。静岡市葵区では、川の氾濫で道路が崩落し、孤立した地区があり、不自由な生活が続いています。

静岡市の市街地から車でおよそ40分。葵区の山あいにある水見色地区です。台風15号の記録的な雨で藁科川の支流、水見色川が氾濫しました。川の氾濫で少なくとも2か所で道が崩落し、地区は一時、孤立しました。

<勝山夏子さん>

「新聞などを見ても『私たちの地域が孤立していると載ってないね』とか話していた。『学校のグランドにSOSと書こうかな』と助けてほしいかなと不安だった」

子どもたちの通学にも影響を及ぼしました。

<児童たち>

「おはようございます」

全校生徒6人の水見色小学校は、今週いっぱい休校となりました。28日からは4km以上離れた中藁科小学校の一室を借り、授業を再開することとなりました。保護者や教諭が手分けして、車と徒歩でおよそ45分かけて、子どもたちを学校に送りました。

<女子児童>

「1日違う学校だけど楽しみです」

林道が開通したことから、28日はSNSなどで被害を知った多くの人が支援に訪れていました。届いた物資は、地元の消防団や地域の人が受け渡しを行っています。

<水見色地区町内会 勝山壽夫会長>

「水を送ってもらったり、個人的な支援をしてくれたり、大変助かっている」

それでも、住民の不安は解消されません。現在、妊娠中期の辻村麻美さんです。

<辻村麻美さん>

「よくも悪くもなるようにしかならないので、どこまで助けが来るのか、これで(赤ちゃんが)産まれるってなっても間に合わないから」

定期健診に通う病院までは、通常でも30分ほどかかります。

<辻村麻美さん>

「まだ(孤立の)解消ではない。希望はすごい見えているし、そこからたくさんの方が来てくださったり、支援してくれたものが目に見えて届き、うれしいし、ホッとしているが、林道は気軽な道ではないので不安のままは不安のままだと思います」

街をつなぐ大動脈を失った地区では、一日でも早い復旧や引き続きの支援が求められます。

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