いちご一会とちぎ国体のメイン会場となる宇都宮市の県総合運動公園周辺で29日、自動運転バスの実用化を目指す県の「ABCプロジェクト」の実証実験が始まった。多数の来場者の利用が見込まれる最寄りの東武西川田駅まで約700メートルの区間を運行する。乗車は無料。
イベント時の移動手段確保や公共交通の利用促進につなげることなどが目的。国体閉会式が行われる10月11日まで連日運行する。環境配慮を掲げるとちぎ国体に合わせ、電動車両を用いた。定員は最大19人で、緊急時に備え運転手が同乗する。最高速度は時速40キロ。片道4分ほどかけて走る。
同公園近くのバス停で行われた出発式には、福田富一(ふくだとみかず)知事らが参加。走行区間には交差点や円形の環状交差点(ラウンドアバウト)があるが、的確に運行した。試乗した福田知事は「快適で安心して乗ることができた。国体の期間中、多くの方に乗ってもらいたい」と期待を込めた。
運行は午前9時~午後6時で、1時間に1~3便の計画。事前予約枠のほか、当日枠も設ける。
実証実験は23年度までに県内10カ所で計画されており、今回が6カ所目。