ピンク恐竜が乳がん啓発、10月は「ピンクリボン月間」 福井県勝山市の団体がモニュメント点灯、友人の発病きっかけ

ピンク色にライトアップされたホワイトザウルス=9月24日、福井県勝山市村岡町

 10月は、乳がんの早期発見や検診の重要性を啓発する「ピンクリボン月間」。福井県勝山市村岡町五本寺にある恐竜モニュメント「ホワイトザウルス」は1日から19日まで、ピンク色にライトアップされる。きっかけは実施する市民団体のメンバーの友人が乳がんを患ったこと。発案したメンバーは「友人だけでなく、ほかの患者の人たちも元気づけたい。観光客も目にする場所なので、少しでも啓発の輪が広がれば」と期待している。

 市民団体「バーテクス」は、勝山の活性化につなげようとイベント開催などに取り組んでいる。これまでもピンクリボンのPR活動をしており、頭上を覆うように傘を飾る「アンブレラスカイ」を7、8月に同市片瀬の越前大仏門前町で実施した際には、傘の一つにピンクリボンのマークを入れるなどした。

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 活動のきっかけは、メンバーの齊藤修さん(44)の友人で、40代のミカさん(仮名)が数年前に乳がんになったこと。齊藤さんは「ミカさんはもちろん、ほかの患者を元気づけたいし、啓発にもつなげるために何かしたい」と、市民だけでなく多くの観光客が目に触れるホワイトザウルスをライトアップしようと発案した。

 団体のリーダー、三屋智戒さん(49)らも奔走。ホワイトザウルスを設置した勝山市や地元の村岡まちづくり会館の理解を得て、まちづくり活動に補助金を出す市の「ちょいチャレ応援事業」を活用し実現につなげた。

 9月24日夜には、ミカさんが同席しライトアップ試験を行った。照明機器は元々備え付けられている白色のものに、耐熱性のある色つきフィルムを設置。モニュメントがきれいなピンク色に染まる様子に、ミカさんは「本当に励ましになる」と喜び、「定期的な検診はもちろん、セルフチェックをする習慣が大事。見た人たちに、そうした意識を持ってもらえれば」と話した。

 ホワイトザウルスのライトアップは、毎月19日が「ピンクの日」と提唱されていることにちなみ、一区切りするものの「11月以降も、雪がないときは毎月19日にピンクに照らして啓発したい」と三屋さん。バーテクスは、ピンクリボン月間中の23日から31日には越前大仏でのライトアップイベントも計画しており、来場を呼び掛けている。

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