【静岡豪雨】「置くところがない」「崩れてきたら困る」公園にあふれかえる大量の“災害ごみ” 注目の新スタジアム建設候補地で10月3日から受け入れへ

台風15号の浸水被害に伴い、被災地で大きな課題となっているのが「災害ごみ」です。地域の仮置き場が飽和状態となっています。こうした状況を受け静岡県静岡市は、JR清水駅近くの大型の仮置き場で、10月3日からごみを受け入れると発表しました。

<滝澤悠希キャスター>

「静岡市清水区押切地区の、押切公園です。普段は子どもたちの遊び場ですが、今は台風によって出た大量のごみで、あふれかえっています」

押切公園は、地元の自治会が9月24日から災害ごみ置き場に指定。しかし、すぐに大量のごみが持ち込まれ、翌日25日には、受け入れを中止しました。

<押切新町 吉田秀明自治会長>

「この看板から、あそこの建物くらいまでずっと道路まで占拠するような形でごみが置かれて、倒れてきても困る状況だった」

自治会によると、当初、ごみが外の道路まで1mほどはみ出ていたということですが、市が依頼した業者が数日前に撤去。それでも、今も敷地内には多くの災害ごみがある上、周辺の公園なども同じような状況です。

<押切新町 吉田秀明自治会長>

「(ごみを)集めてきても置くところがないので、なかなか復旧が進まない」

片付けたごみを4日間、玄関前に置き続けている住民もいます。

<住民>

「あっちの方に空き地があるなとか、そこにごみを移せないのかなとか、市の方でもう少し機転を利かせてやっていただきたい」

ほかにも、災害ごみが行き場をなくしている地域が。

<滝澤悠希キャスター>

「清水区鳥坂のこちらの公園も災害ごみ置き場となっているんですが、今も道路からはみ出しているごみがあり、中には今にも崩れてきそうなものもあります」

静岡大学の調査で2mを超える浸水が確認された鳥坂地区。自治会が市に撤去を要請していますが、いまだ運び出しは行われていないということです。

<住民>

「(ごみが)崩れてきたら困る、自動車がここを通っていて。全部持っていってもらいたいけど、現実的にどれくらいかかるのか」

<静岡市 田辺信宏市長>

「この度、ENEOS株式会社のご協力をいただき、清水区袖師町に、市民の皆さんに、災害ごみをお持ち込みいただけるような、大型の仮置き場を設置することが決定しました」

こうした状況を受け、静岡市は9月30日、災害ごみを収容する正式な仮置き場として、JR清水駅東口近くの遊休地を選定したと発表しました。新しいサッカースタジアムの建設候補地として注目されている土地で、静岡市民は、誰でも災害ごみを持ち込むことができます。10月3日から受け入れを始める予定です。

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