「二万仮設団地」11日から撤去 岡山県 西日本豪雨の建設型ゼロに

11日から撤去工事が行われる二万仮設団地=9月中旬、倉敷市真備町上二万

 岡山県は3日、2018年7月に発生した西日本豪雨の被災者向け建設型仮設団地のうち県内で唯一となっていた「二万仮設団地」(倉敷市真備町上二万)について、11日に撤去を始めると正式に発表した。入居者全員が退去したのに伴う対応で、工事は11月中に完了する見込み。最大で計700人超の被災者が身を寄せていた県内8カ所の建設型仮設団地は全て撤去される。

 二万仮設団地(プレハブ25戸)は18年9月に県が地区の広場に整備し、ピーク時には22世帯57人が生活していた。河川復旧工事の区域内に自宅があるため戻れずにいた2世帯(計5人)が今年9月26日に退去を完了。県は建物を撤去後、広場の状態に戻す。

 建設型仮設団地は倉敷市に6カ所、総社市に2カ所整備され、最も入居が多かった18年10月末時点で計301世帯719人が身を寄せた。被災者の生活再建に伴って20年11月以降、順次撤去されていた。

 一方、9月末時点で7世帯17人が民間賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設」での暮らしを余儀なくされている。県被災者生活支援室は「全ての建設型仮設団地の撤去は被災地の復旧の表れといえる。ただ、みなし仮設で暮らす被災者もおり、全員が一日も早く元の生活を取り戻せるよう取り組みを進める」としている。

「二万仮設団地」の撤去を発表する岡山県の担当者

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