矢掛本陣大神楽 地域の安寧祈る 出身者ら80歳の節目に企画

「大蛇退治」で華麗な太刀さばきを披露する神楽太夫

 新型コロナウイルスの災厄をはらい、地域の安寧を祈ろうと80歳前後のメンバー9人でつくる実行委などが、やかげ文化センター(岡山県矢掛町矢掛)で「矢掛本陣大神楽」を開いた。

 12年前に国重要文化財・旧矢掛本陣(同)で備中神楽の会を開いた同町美川地区出身の三宅昭司さん(80)=岡山市北区=らが、今年80歳になった節目にと、再び企画し9月25日に開催。観覧無料の会場には町内外から約400人が訪れ、4時間半にわたり見入った。

 清めの舞「榊舞」で開幕すると、勇壮な「猿田彦舞」、国をめぐって神々が争う「国譲り」、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が大蛇(おろち)を成敗する「大蛇退治」といった演目が繰り広げられた。県内で活動する太夫約10人が、息の合った所作や華麗な太刀さばきを披露し、会場を盛り上げた。

 三宅さんは「コロナ禍の影響で準備は大変だった。来場者の喜ぶ顔を見ることができ良かった」と話していた。

© 株式会社山陽新聞社