植物分類学の歴史説明 日南高で服部植物研究所

生徒たちに分類学について説明する鄭天雄さん(右)

 日南市の日南高(坂元教久校長、344人)に9月29日、同市飫肥の服部植物研究所から南壽(なす)敏郎理事長(62)と常勤研究員の鄭天雄(ていてんゆう)さん(30)が訪れ、同研究所の紹介や分類学についての講義を行った。生徒たちは地元で世界最先端のコケの研究が行われていることに感銘を受けていた。
 同校探究科学コース1、2年の計75人が受講。南壽理事長が、世界唯一のコケ専門研究機関としての同研究所を紹介。服部新佐博士が1946(昭和21)年に同研究所を設立した直後の写真や歴史、多くの標本があることなどを説明し「コケの世界では、日南はよく知られた存在。ぜひ遊びに来て」と呼びかけた。
 鄭さんは分類学が生物学の基礎であることを説明。植物分類学の歴史や研究法を示し、自らの分類系統が世界で広く使われていることも紹介。「分類学者は(研究のため)いろんなところに行くことができる。みなさんも自分の足で動いて視野を広げてほしい」と話した。
 講義を聴いた2年の河野安那さん(16)は「分類学はすべての生物学の基本になっていることを知り驚いた。今、4人のグループでコケについて研究しているので生かしていきたい」と関心を示していた。

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