10月りゅう座流星群(ジャコビニ)、2022年の極大は10月9日 見える時間帯や方角は

10月りゅう座流星群(ジャコビニ)、2022年の極大は10月9日

 10月は、“気まぐれ”に出現するミステリアスな「10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)」に注目したい。2022年の極大(流星群の活動ピーク)は10月9日の予定。国立天文台(東京)に見える時間帯や方角などを聞いてみた。

10月りゅう座流星群とは

 母天体は約6.5年の周期で太陽を公転しているジャコビニ・ジンナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)で、以前はジャコビニ流星群と呼ばれていた。母天体が2公転する13年ごとに出現のチャンスが訪れ、1933年にヨーロッパで、1946年にはアメリカで1時間に1000個以上流れる「流星嵐」が観察されたという。しかし、日本で好条件と思われた1972年はさっぱり流れず、予報が外れたとして大きな話題となった。

 その後、日本では1985年と1998年に1時間あたり100個程度の流星の出現が観察された。次の出現年は2024年の予想だが、出現の周期に当たらない年の2018年にも多くの流星群が観測されるなど、ミステリアスな部分がある。近年は熟練の観測者を中心に、1時間に数個程度の流星が毎年観測されている。

出現期間と極大

 出現期間は10月6~10日ごろまでで、出現数は1時間に1個程度、一晩に数個と多くはない。極大は10月9日午前10時の予想。母天体が太陽から最も遠くなる「遠日点」付近に位置するため、規模の大きな出現となる可能性は極めて低い。速度が夏のペルセウス座流星群の半分以下の速さのため、柔らかな印象の光が流れるそうだ。

オススメ観測時間や見える方角

 極大時刻が日中となるため、月明かりを避けた10月8日と9日の夕刻の観測がお勧め。ほぼ満月と重なるため、観測条件としては良くないが、のんびりとした気持ちで秋の空を楽しみたい。日が暮れたころには、南の空に土星が、南東の空には月にも負けない明るさの木星が存在感を放つ。土星と木星の中間を下にたどるとうお座の1等星フォーマルハウトも輝いているという。

 流れ星は空全体に現れるため、満月の明かりを避けて、なるべく空の広い範囲を見渡せる場所を選んで観測しよう。レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察できる。10月になると、夜はかなり冷え込むため、しっかり防寒対策をして臨みたい。

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