黄色い果実がキツネの顔に似ることから「フォックスフェイス」と呼ばれるナス科の観賞用植物ツノナスの出荷が、中国地方で唯一の産地・高梁市で始まった。11月上旬まで岡山県内や関西方面の市場へ送り出されるほか、JA晴れの国岡山直売所・高梁グリーンセンター(同市津川町今津)で販売する。
同JAによると、ツノナスは南米原産で、高さ2、3メートルの茎に直径約7センチの実を付ける。水をやらなくても3カ月程度持つため、生け花の花材に活用される。同市中井町や川面町などの15戸が約40アールで育てている。
9月27日には同JAのびほく花木生産部会による出荷進発式が、キツネにちなんで高梁稲荷神社(同市落合町近似)であり、生産者ら約20人が好調な売れ行きを祈願した。荒木一郎部会長(77)は「幸運をもたらすといわれる縁起の良い作物。ハロウィーンなどの飾りとしても使ってほしい」と呼びかけた。
今季は夏場に雨不足や気温が高い日が続いた影響で、やや出荷が遅れ気味だが、病虫害の被害もなく実太りや色づきは例年通り上々という。同JAは昨季(約7千本)を上回る1万本の出荷を目指している。