徐々に全容が… 宮島の大鳥居「扁額」を取り付け 修復作業が終盤

修復作業が進んでいる宮島(広島・廿日市市)の大鳥居。その全容を少しずつ現しています。6日は、神社の名前を記した「扁額」を再び設置する作業が行われました。

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「令和の大修理」のため、高さ16メートルの大鳥居を覆っていた囲いの撤去は、10月1日から始まっています。

扁額は、屋根の下まで顔をのぞかせた鳥居に取り付けます。縦2.5メートル、横1.5メートル以上、重さが150キロほどといわれる扁額は覆いがされ、台車で運ばれてきました。

扁額は、海側と社殿側の2枚あり、まず、海側の扁額がクレーンでつり上げられていきました。鳥居を傷つけないよう慎重に作業が進められました。

扁額は、海側が「厳島神社」、社殿側は「伊都岐島神社」と記されています。

鳥居の工事にあわせて扁額も修復され、取り付けを待っていました。

宮島の歴史に詳しい 舩附 洋子さん
「名前が変わっている、時代とともに。神社を、最初は伊都岐島神社といい、その後、厳島神社に変わった」

扁額は覆いがとられ、滑車を使ってゆっくりつり上げられていきました。見物の人たちが集まる中、「厳島神社」の扁額が元あった場所に戻りました。

扁額は、おととし、一般公開されました。そのとき、地元の人は初めて “あること” に気がついたといいます。

宮島の歴史に詳しい 舩附 洋子さん
「扁額の枠に “昇り龍” と “くだり龍” がかかれているのが、今回の工事でわかった。縁起をかつぐため、先人は昇り龍とくだり龍をかいた」

扁額は、9代目の大鳥居が再建されたおよそ145年前につくられたということです。

社殿側の扁額も取り付けられ、2つの名前を掲げた大鳥居は、これからも宮島を訪れる人を迎えます。

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