豪雨想定 児童と住民が避難訓練 矢掛、移動しながら危険箇所確認

避難場所に移動する途中で、住民らと危険箇所について話し合う児童

 2018年の西日本豪雨で深刻な浸水被害を受けた岡山県矢掛町中川地区で4日、小学生と地元住民が避難場所まで移動し危険箇所を一緒に確認する合同避難訓練を初めて実施した。

 中川小(本堀)と地区自主防災会、公民館が企画。全校児童約40人を含め、同防災会メンバーや保護者ら計約80人が参加した。豪雨で小学校に隣接する小田川が増水した―と想定。参加者は6班に分かれ、同小から1.5キロ離れた町指定避難所の町B&G海洋センター(西川面)を目指した。

 途中4カ所で住民は「ここは安全に通れるかな」などと質問。児童は「水が増えて用水路と道路が分からないかもしれない」「土砂崩れの可能性がある」などと点検していた。

 45分ほどかけて同センターに到着すると、児童は危険箇所をボードに書き込み、住民らの前で発表して共有した。4年男子(9)は「意識して歩いたことはなかった。いざという時に生かしたい」と話していた。

 18年の豪雨では、小田川の北にある同小も浸水したため、住民は隣の地区の同センターに避難したという。川の南にも現在、要望により避難施設が整備されている。

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