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10月6日、ようやく静岡市清水区の大規模断水が解消されましたが、いまだに波紋を呼んでいます。取材を続けていると、「静岡市の対応が遅い」という住民から切実な声が聞こえてきます。
台風15号による記録的な大雨。静岡市内では七夕豪雨に次ぐ416.5ミリを観測、これが住民を困らせる大規模断水につながりました。
<市民と静岡市 田辺信宏市長のやり取り>
「教えてもらえればね、みんなそのように対処するんだけど」
「いつごろまでに直るって教えてもらえればってことでしょ?早くやります。なるべく早く」
市民が不満を漏らすのは、静岡市の対応の遅さです。大雨が降り続いたのは、9月23日夜から24日未明。静岡県内多くの自治体が23日夜に災害対策本部を設置する中、静岡市が立ち上げたのは翌24日の午後1時。すでに雨は上がっていました。さらに、市の幹部による会議が初めて開かれたのは、連休明けの26日でした。
10月5日、静岡市内の自治会のトップと面会した田辺信宏市長。苦言を呈されました。
<清水区自治会連合会 田宮文雄会長>
「当初の情報が非常に遅い。市民からいつ手を付けるのかいつの直るのか、いつからどうなるんだと数日間はっきりとわからない」
<田辺信宏市長>
「地区ごとにどのくらい被害があるんだと、そういう数字がないとどこの地区にどういう風にするか決められない」
ただ、災害対応にあたった静岡市の職員によると、給水車が足りないといった話は当初共有されなかったといいます。さらに「大規模災害への切り替えはぬるかった」というのです。
さらに、田辺市長自身の動きにも気になる点があります。
<清水区民>
Q.市長はいらっしゃいましたか?
「ちょっと来ましたね」
Q.市長が挨拶したのはどれ?
「ここ。開会式」
甚大な被害が明らかになる中、あいさつ回りに訪れていたのです。24日、災害対策本部で情報の集約などにあたっていたという田辺市長。翌25日、被害現場を視察します。
しかし、その前に自治会の敬老会や清水区の伝統的なお祭り「草薙龍勢」の会場に顔を出していました。その間、陣頭指揮を執る副市長とやり取りできていたとした上で、田辺市長は「自治会の意見が聞けて被害状況が確認できるので公務として出席した」としています。
<葵区自治会連合会 瀧義弘会長>
「本来ならば敬老会来なくても代理の方でもいいし」
<清水区自治会連合会 田宮文雄会長>
「(災害)対応の方をあたってもらった方がよかったのかな」
もう一つ、市の対応で疑問視されるのが自衛隊の派遣要請をめぐる動きです。要請自体は県知事の役割ですが、より詳しい被災の情報が求められるため、静岡県は静岡市に声をかけつつ判断を待っていたといいます。
<住民>
「もっと早くこういう時の対策を考えてほしい。知事と市長の意見が一緒になるように」
ここで気になるのが川勝平太静岡県知事と田辺市長の関係性です。
<田辺市長>
Q.『知事と市長が仲が悪いせいだ』『もっと早く自衛隊を要請していれば』という意見も既成事実化しているが…
「そんなことはございません。私から県知事に電話した。このことについて一緒に連携してやろうということになりました」
Q.直接言葉を交わされたのはその時の電話1回ですか?「(うなずく)」
これには自治会のトップも首をかしげます。
<葵区自治会連合会 瀧義弘会長>
「川勝さんと田辺市長との仲がやっぱりよくない。だからああいうようにやられちゃう。大人になってもらいたい」
自治会は静岡市に対して、災害対応の詳細な検証を求めています。大規模断水は解消されましたが、ようやく元の生活を取り戻すためのスタートに立ったにすぎません。1日も早く日常を取り戻すためには行政の適切な対応が重要です。