鏡野町 全町民に1万円支給 物価高騰で方針、11月から順次

鏡野町役場

 物価高騰による生活負担軽減に向け、岡山県鏡野町が全町民に所得制限を設けず1人当たり現金1万円を支給する方針を固めたことが7日、町への取材で分かった。日用品などの値上げラッシュが広がる中、世帯の構成や経済状況を問わず、即効性のある支援が必要と判断した。

 対象は9月末時点で住民基本台帳に記載のある約1万2500人。11月上旬をめどに世帯人数や口座情報を確認する申請書を送り、郵送で受け付けて順次世帯主に支給する。所得が少ない住民税非課税世帯は1世帯当たり5万円の国の給付金に上乗せする形となる。

 事業費1億3200万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を14日に予定される町議会に提案する。財源は財政調整基金を1億円取り崩し、残りは国の地方創生臨時交付金を充てる方針。

 山崎親男町長は7日の取材に対し「物価高騰は所得に関係なく、全世帯の家計に大きな影響を与えており、今後も厳しい状況が続くとみられる。より直接的な支援で町民生活を守っていく」と述べた。

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