デビュー50周年「古里に感謝」 ギタリスト・山口修 16、29日長崎、大村でコンサート

演奏を終え、盛んな拍手を浴びる山口=長崎市の平和町公民館

 長崎市のギタリスト、山口修(67)がデビュー50周年記念コンサートを16日に長崎市の「チトセピアホール」で、29日に大村市の「プラザおおむら」でそれぞれ開く。17歳でデビューし、「ギターとともに生きる」をテーマに長崎を拠点に活動してきた山口。「これまで支えてくれた人と古里への感謝を込めて演奏したい」と意気込んでいる。
 ギターとの出合いは、小学5年生。得意なこともなく不登校に陥っていた頃、7歳上の兄のギターに触れ、自分から習いたいと教室に通い始めた。ギターと体を一体化させ、弦を弾いて音を響かせるのは「しゃべる」ような感覚があり、自分のリズムを取り戻し学校に復帰できた。山口にとって「命の根源にあるのが音楽」という。
 中学生の時に第14回九州ギター音楽コンクールで優勝、高校生で第14回日本ギターコンクール第2位(1位空位)。卒業後は渡欧し、2年にわたりフランス、スペイン、イタリアで腕を磨いた。帰国後は長崎に拠点を置きながら東京などのリサイタルで実力を披露。日本フィルハーモニー交響楽団など国内外の数々の楽団と共演もしてきた。
 県内では、各地の学校での演奏会や病院でのロビーコンサートを続け「まちおこしが自分を育ててくれた」と振り返る。地元ラジオの出演も続け、ギター教室の教え子も多い。9月23~25日には地元の平和町公民館で毎年恒例の「第13回ギター大好き展」を開催。8人のプロのギタリストと共に観客を魅了した。
 コロナ禍、演奏の機会を奪われ、昨年は一番の理解者で支援者であった母が他界。この半世紀、数々の困難を乗り越えられたのは「聴いてくれる人に生きるエネルギーを伝えたい」と情熱を持ち続けてきたからだ。
 50周年コンサートは「自分にとっての起爆剤でもある」という。バッハをはじめ、スペインや南米の名曲などを披露、妻でソプラノ歌手の山口純子が共演する。「これまで自分を癒やしてくれたお気に入りの曲ばかり。多くの人に、心で演奏を楽しんでほしい」と話している。

◎デビュー50周年記念コンサート
 16日の「チトセピアホール」、29日の「プラザおおむら」両会場とも午後2時開演。チケットは▽16日=一般2800円、学生1500円▽29日=一般2500円、学生千円。いずれも当日300円増し。16日の問い合わせは主催者の「音楽小屋」(電095.807.4836)、29日は同「ギターの大好きな仲間たち」の田川さん(電090.8916.2429)または音楽小屋。

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