力強い油彩 日原さん画業触れる 津山で回顧展、愛用画材も展示

力強く重厚感のある日原さんの作品に見入る市民ら

 戦後の県北画壇をリードし、多くの後進を育てた津山市出身の洋画家・日原晃さん(1910~97年)の回顧展が8日、同市山下の津山文化センターで始まった。初日から多くの愛好者が訪れ、力強く重厚感のある作品や生前の愛用品などを通じて日原さんの画業に触れている。11月6日まで。

 日原さんは同市院庄に生まれ、上京後、日本大芸術学部に進んだ。戦後に帰郷してからは自宅に「こどものアトリエ」を開設して多くの後進を送り出す一方、日展審査員、同参与を歴任しながら「山陰の海」シリーズを描き続けた。

 会場には、大胆な色使いで夕日が日本海をオレンジ色に染める様子を表現したシリーズ作品をはじめ、パリの街並みを描いた「パリの街角」など油彩48点を展示。日原さんが生前使用していたパレットや筆といった画材も並べてあり、訪れた人たちが足跡をしのびながらじっくりと鑑賞していた。

 同市、来場者(73)は「それまでの油彩のイメージとは違って筆遣いが力強く、見ていて圧倒された」と話した。

 市内の私設美術館4館でつくる「つやまアートミュージアムユニット」が主催。開館は午前10時~午後5時(木曜日は休館)。入場無料。問い合わせは同ユニットの保田扶佐子代表(090―6438―5711)。

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