戦場カメラマン渡部さん講演 次世代に向け戦争抑止訴え 宇都宮

独特の口調で講演する渡部さん

 【宇都宮】平和への願いを込めた宇都宮青年会議所のイベント「宮プロジェクト」がこのほど県総合文化センターで開かれ、戦場カメラマン渡部陽一(わたなべよういち)さんの特別講演とパネルディスカッションが行われた。

 渡辺さんは「戦争の記憶から次世代に向けた講話」と題して講演。パキスタンでは宗教上の理由から女性は勉強することができないと世界に発信し、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんを取り上げながら、独特のゆっくりとした語り口で「戦争を止めるのは、1本のペンと1冊の教科書、一人の先生がいれば良い」などと述べた。訪れた約150人の市民は真剣に耳を傾けていた。

 講演後「戦争の歴史に対しての想(おも)いや伝えたいこと」をテーマにパネルディスカッション。市出身で前つくば市副市長の毛塚幹人(けづかみきと)さんがファシリテーターを務め、渡部さんと宇都宮大社会共創促進センター特任助教の坂本文子(さかもとふみこ)さんが参加し、平和について語り合った。

 講演後に予定されていた田川での灯籠流しは大雨で中止になったものの、灯籠の製作会場は設けられ、参加者が平和への願いを込めて文字や絵などを描いていた。

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