天皇陛下「一期一会の思い出を」 とちぎ国体開会式に出席、県民ら5000人歓迎

総合開会式が開かれるカンセキスタジアムとちぎに到着された天皇、皇后両陛下=1日午後2時、代表撮影

 天皇、皇后両陛下は1日、とちぎ国体の総合開会式に出席された。47都道府県の選手団の入場を拍手で見守り、県民ら約1400人による式典演技を熱心に観覧した。天皇陛下は「日頃の練習の成果を十分に発揮されるとともに、地元栃木県の皆さんとの一期一会を大切にして素晴らしい思い出を作ってください」とお言葉を述べ、選手を激励した。

 新型コロナウイルス感染拡大により、両陛下が国体を含む四つの主要地方公務で実際に現地に足を運ぶのは2019年9月の茨城国体以来、3年ぶり。地方訪問自体も20年1月以来で、コロナ下では初となる。

 午後2時10分過ぎ、観客からの盛大な拍手で迎えられた両陛下は、県産ヒノキなどで作られたロイヤルボックスに着席。選手団の入場が始まると、時折顔を見合わせるなどしながら、行進する一人一人を頼もしげに見つめていた。

 お言葉では「皆さんの心に残る、実り多い大会となることを期待します」と結んだ。その後、式典演技の踊りなども観覧し、演者に惜しみない拍手を送った。

     ◇     ◇

 会場周辺には県民ら約5千人(県発表)が集まり、両陛下を歓迎した。

 同日正午、御料車は鹿沼市の北犬飼コミュニティセンターに到着され、福田富一(ふくだとみかず)知事らが出迎えた。両陛下はにこやかな表情で一人一人のあいさつに応えた。

 センターで昼食を取った両陛下は、総合開会式への出席のため、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎに移動された。

 この日、沿道には午前10時ごろから人が集まり、式直前には周辺の歩道数百メートルを埋め尽くした。両陛下の車が通過すると、日の丸手旗を振って出迎えた。

 茨城県古河市、パート従業員山下麻理江(やましたまりえ)さん(38)は「こちらを見て手を振ってくれた」と感激していた。

第77回国民体育大会の総合開会式でブルーインパルスの祝賀飛行に拍手される天皇、皇后両陛下=1日午後2時20分、カンセキスタジアムとちぎ、代表撮影
両陛下を一目見ようと沿道に集まった人たち=1日午後、宇都宮市
両陛下を一目見ようと沿道に集まった県民ら=1日午後、宇都宮市

© 株式会社下野新聞社