県高校総体では、20年度の県高校新人大会以来のベスト4入りを果たした大分商業。「精神的な強さと最後まで粘る力が勝利につながることを実感した大会だった」と振り返る秋国二郎監督。全国高校選手権大会(ウインターカップ)県予選では、シード権を獲得した。今大会では「流れが悪い時間に、自分たちでいかに立て直せるか」(秋国監督)が、上位進出へのカギになりそうだ。
チームの強みの一つが「高さ」だ。先発メンバーの5人中3人が170cm台と上位校の中で最も平均身長が高い。キャプテンでセンターの田島瑠花(3年)や、パワーフォワードの副田美咲(2年)がゴール下を固め、インサイド・アウトサイドともに得点を狙える正成沙絵(3年)と、長身3人の高さを生かした試合を展開する。
さらに先発メンバーは全員が昨年と今年の国体選抜メンバーに選ばれている。秋国監督は「レベルの高い選手たちから指導を受けて、プレーにも少しずつ余裕が出てきている」と、さらに成長した選手たちの活躍に期待を寄せている。
県高校総体ではまだ完璧とは言えなかった守備を強化している。高い個人技を持つ選手を相手にマンツーマンで流れを変えることが難しい場面も多いため、チーム全員でいかにカバーリングできるかが重要となる。「簡単に勝てる試合は一戦もない。残り5分を切ってから勝負にできるようなゲームに持ち込んで、強化してきた粘りを発揮してくれれば勝機はある」と秋国監督。最後の1秒までコートを駆け抜ける「気持ちの強さ」をぶつけて、最高の結果を目指す。
戦力分析
オフェンス力…8点
ディフェンス力…7点
リバウンド力…9点
シュート力…8点
3点シュート力…6点
高さ…10点
(10点満点)
「リバウンダーとして田島、正成、副田と3人の高さはどのチームにも負けない強み。さらに3人とも走れる選手なので、速攻も狙える」と秋国監督。さらに、メンバーチェンジをしてもリズムを崩さない「チーム力の底上げ」が図られている。シックスマンとして県高校総体の準々決勝・明豊戦に出場し、試合の流れを変えて勝利に導いた和哥山空奈(3年)の存在など選手層も厚い。息の合ったセットプレーの精度もますます向上していて、個々が持つ能力を最大限に生かし、チーム一丸となって戦う。
これまで精度が低かった3点シュートの強化にも取り組んでおり、本番までにどこまでシュート成功率を上げられるかが勝利への重要な要素になりそうだ。県外強豪校との練習試合のみならず、具体的なシチュエーションを想定した地道な練習で着実に力をつけてきた選手たちは、挑戦者としての粘りを発揮したいところだ。
(黒木ゆか)