手応えつかめた全中3位 基礎徹底が飛躍の土台 日見中男子バドミントンチーム

全国中学大会団体で3位入賞した日見中男子バドミントンチーム=諫早市、飯盛体育館

 8月下旬に青森県弘前市で行われた全国中学大会(全中)のバドミントン男子団体で日見中が銅メダルを獲得した。個人もシングルスに出場した主将の草ノ瀬悠生、ダブルスの吉次和義・後藤洸太組、増田大輝・左村都之助組が3回戦まで進出。一気に全国区のチームに成長している。
 メンバーは3年生3人、2年生4人、1年生2人の9人。週6日、長崎、諫早市などで練習に励んでいる。体育館は常に活気にあふれ、基礎、パターン打ち、試合の3セクションに分かれて汗を流している。
 「日本一を目指そう」。2020年春、バドミントン日本リーグでプレー経験があり、主将の悠生の父である草ノ瀬公一郎コーチのひと言でチームは始動した。発足当初は現3年生の3人のみ。当然、団体戦には出場できず、コロナ禍で大会中止も相次いだ。そんな苦しい状況を、公一郎コーチは前向きに捉えた。「徹底的に基礎をたたき込もう」。一緒にコートに立ち、細かく教えた。この地道に過ごした期間が飛躍への土台となった。
 翌21年、新しく4人が加入すると、県大会、九州大会でいきなり優勝。初の全中も団体で8強入りした。公一郎コーチは「やってきたことは間違いなかった」と手応えを得ると同時に、さらに上を目指すために「基礎はできている。練習の意図に自分たちで気付いて修正できるように伸ばしていこう」と決めた。子どもたちの自主性を重んじるようにした。
 以降は全中で4強入りできなかった悔しさを胸に、一人一人が努力を重ねた。下級生は上級生の背中を見ながら、スマッシュ、スピード、技術を磨いた。県内の高校に出向き、一緒に練習させてもらった。シングルスの練習をメインに、個人スキルを上げた。

主将としてチームを引っ張り、U-16日本代表にも名を連ねる草ノ瀬=諫早市、飯盛体育館

 迎えた今年の全中。初戦の相手は中国王者の倉敷一(岡山)。ここにストレート勝ちして勢いづくと、準々決勝で聖ウルスラ学院英智(宮城)に2-1で競り勝ち、前年の成績を超えた。準決勝で強豪の埼玉栄に1-2で敗れたが、エースの草ノ瀬は「悔しさが大きいけれど、日本一はそんな遠く感じなくなった」。また一つ手応えをつかめた大会になった。
 草ノ瀬、吉次、後藤の3年生は全中後も練習を続けている。U-16日本代表に選ばれている草ノ瀬は11月に海外遠征も控えている。「いい仲間でいいライバル」と口をそろえる3人の目標は「高校で団体、個人の日本一」。中学で見ることができなかった景色を、みんなで見に行くと決めている。


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