第21回全国高校生ポスターコンクールで、岡山工業高(岡山市北区伊福町)デザイン科2年の難波佐和さん(17)の作品「今年こそ。」が最優秀の文部科学大臣賞に輝いた。同高からは2018年、19年に続く最優秀受賞となった。
コンクールは日本国際ポスター美術館(岐阜県)が主催。6月に「まつり」をテーマに作品を募り、全国の高校生から830点の応募があった。
タブレット端末を使い、2日間で書き上げた難波さんの作品はシンプルながら鮮烈。屋台や花火など分かりやすいモチーフはあえて選ばず「友達や憧れの先輩など、誰と祭りに行こうかとわくわくしながら思いを巡らせた」という中学時代の経験を基にした。ピンク一色の画面の半分ほどを使って若者の顔を大胆に描き、「あの子と行きたい。」と味のある字を添えた。
「幅広い人に共感し、想像を膨らませてほしい」と若者は中性的で表情にも含みを持たせ、審査員から「秀逸」と評価された。タイトルには新型コロナウイルスによる自粛が続く中での期待感も込めている。
今後、インテリアなどを勉強したいという難波さんは「受賞は驚き。この経験から、作品を通じて伝えたいことを突き詰めて考える大切さを学べた」と話す。