ウインターカップ県予選特集 バスケットボール男子(3) 強化してきたオフェンスで復権目指す大分舞鶴 【大分県】

進学校のため、3年生の半数は引退したが、攻守の切り替えの速いトランジションやセットオフェンスの確実さなど、チームカラーに大きな変化はない。池田剛監督は「チームの中だけで見れば、どの選手も安定感が増しているが、テストマッチがあまりできなかった分、試合で発揮できるかは未知の部分も多い」と話す。

強化してきたオフェンスでは、3点シュートの精度が上がっているキャプテンの清末純平(3年)を中心に、木内奏汰(同)や中西海里(2年)へと展開して相手を翻弄(ほんろう)する。選手層は厚く、1年生ながらすでに頭角を現しているブラックウェル真秀らがベンチに控える。

一つ一つのピースは確実にできあがりつつあるが、試合で上手に組み合わせられるかは「本番までに、目に見えない部分を調整する必要がある」と池田監督。ボール際の粘り、試合の流れを読む力、気持ちのコントロールなど、チーム練習だけでは強化できない、感覚的な力が成長することで、シュート力やフィジカルの強さといった「目に見える部分」の精度もさらに上がるはずだ。

「優勝したいという気持ちを絶対に忘れてはいけない。楽な試合は一戦もない。辛抱強く戦ってほしい」と池田監督。厳しい試合が予想されるが、一人一人の底力を発揮して「古豪復活」を目指す。

ここ数年遠ざかっているタイトル獲得を目指す

戦力分析

オフェンス力…8点

ディフェンス力…8点

リバウンド力…7点

シュート力…8点

3点シュート力…9点

高さ…7点

(10点満点)

「44回目のインターハイ」を目標に掲げて挑んだ県高校総体では、「思うように練習が進められず、チームを完成できずに本番を迎えてしまった」と池田剛監督は振り返る。未完成だったチームは急ピッチで調整を進めながら、全国高校選手権大会(ウインターカップ)県予選に向けて闘志を燃やしている。

主力には180cm以上の選手が多いが、ベスト4以上の戦いになると留学生が相手になる可能性が高いため、リバウンド力と高さは少し低めの評価となった。「高さが理由の失点は、ある程度仕方ない部分もある。やられた分だけ、自分たちが得点を重ねればいい」と池田監督。強化してきたオフェンスの能力をどこまで伸ばせるか。インサイドでのプレーが封じられたとしても、3点シュートの精度にますます磨きがかかる清末を中心に、どこからでも得点を狙えるシュート力を身につけている。

キャプテンとしての統率力が一段と上がっているという清末をはじめ、「3年生は夏から比べてもさらに成長している」と期待を寄せる池田監督。引退した3年生たちが果たせなかった思いとともに、全国を目指して戦う。

点の取り合いで勝機を見いだす

(黒木ゆか)

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