肌に優しい和紙繊維の洋服ブランドを設立へ 福井県越前市の女性、まずロンTを開発

和紙の製紙技術を活用した生地による洋服と、デザインした向井舞子さん=福井県越前市内

 福井県越前市の女性が和紙の製紙技術を使った生地による洋服を全国発信しようと、ふるさと納税の対象となるクラウドファンディング(CF)により資金を募っている。和紙の良さを知ってもらうとともに、県内繊維業界の活性化を目指している。

 事業を進めているのは向井舞子さん(31)。繊維工場勤務や服飾販売員をした経験から、工賃に業界のしわ寄せが来ていると実感した。ブランドを立ち上げることで職人の収入増を図り、業界の発展を目指そうと思い立った。

 使っている生地は東京の会社が開発したもの。マニラ麻を材料に和紙の製紙技術で糸を作っている。これを使いまずは女性用のロングTシャツを開発した。

 この生地は肌に優しく消臭性や抗菌性、調湿性に優れるという。デザインはオーバーサイズで脇のスリットが長め。妊娠前後の女性が着るのに適している。

 集めた資金は、商品を販売するホームページやロゴの制作費に充てる。目標額は100万円。締め切りは10月31日で、寄付はCFサイト「レディーフォー」から。福井県へのふるさと納税として扱われ、寄付金のうち2千円を超える部分は住民税のおおむね2割を上限に、所得税と合わせて全額が原則、控除・還付される。

 5千~10万円のコースがある。返礼品を出せない県内の寄付者には、生地の切れ端を贈り和紙繊維の肌触りを味わってもらう。

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