みやびやかな舞で観客魅了 「島原城薪能」 子ども狂言も表現豊かに

宝生流能「経政」を演じる能楽師ら=島原文化会館

 島原の秋の風物詩「島原城薪能」(同振興会など主催)が8日夜、長崎県島原市城内1丁目の島原文化会館であり、笑いを誘う狂言や能のみやびやかな舞が約800人の観客を魅了した。
 薪能は島原藩時代に盛んだった伝統文化を後世に伝えようと、1983年に復活し40回目。今年は同城天守閣の改修工事と、新型コロナウイルス感染対策のため屋内開催とし、昨年に引き続きユーチューブなどでライブ配信した。
 第1部の「肥前島原子ども狂言」では約30人が、有明海の海の恵みを題材にしたオリジナル狂言「釣ろうよ」や、小舞「鶴亀の舞」「柳の下」など計8演目を発表。体の動きと元気な声で表現力豊かに演じた。
 第2部の薪能では、舞台に和ろうそくの火がともされ、能楽師の小林与志郎さんらによる宝生流能「経政」や、狂言師の野村万禄さんらによる和泉流狂言「成上り」などを披露。深まり行く秋の夜、観客を古典芸能の世界にいざなった。


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